Shinsuke Yonezawa

12thコラム:寂びる季節に密やか堪らん。。

〜 Love silence in the lonely season 〜

2017年9月16日 更新
ふと目にとまった
どのくらいだろう
埋もれていた音源が
夏が過ぎ去ろうとしているこの時間に
しっくりときて、
このところよく聴いている。

トティ ソレールの『ヴィダ セクレータ〜密やかな生活』


静かな音楽は夏の喧騒の季節には気づかず過ごしてしまう。

端境の寂しさにふと心に共振するのだろうか。

カタロニアの土着がこのように静謐なのか、このアーチストが静かなのか?


フラメンコ的なものはアンダルシアだし、スペインのすべてではないにしろ、ついついそれにひっぱられスペインの薫りがしないというか、場所とかジャンルを特定できないこの洗練はアーチストの成熟によるものなのか。

“鳥の声”から始まるこのインストギターソロアルバムは穏やかに素朴でありながら美しく洗練の極みだ。

カタロニア出身だからカザルスの“鳥の歌”へのオマージュともとれるイントロだ、というのは読みすぎだろうか?

カザルスが帰ることのなかった祖国に切望した《静寂》がここにあるような気がする。

20世紀後半にパスカル コムラード(※添付参照)とも親交のあったトティ ソレール。60年代から活躍し、クラシック〜ジャズ〜サイケ〜プログレッシブを経験してきた人だからこその、今のこの音なんだろう。

思えばスペインはギターの国だ。
フラメンコギターだけではなくクラシックギターも「アランフェス協奏曲」や「禁じられた遊び」がある。

そう考えれば合点がいく。

そう、美しいギターの国。

パルティーダ クレウスもスペインカタロニア土着の、スペイン人も忘れ去り埋もれていた過去の遺産のような葡萄にイタリア人マッシモ マルキオーリが価値を見いだし、移り住み、土着の個性を生かしながら洗練を極めたワインに仕立て上げている。
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こちらにも《場所を特定できない感性ではあるけれども土着》、というコスモポリタニズム。


二つの素朴と円熟の洗練。


秋が気配し、夏が去りゆく寂しさを
この音楽で癒され
このワインでしみじみ飲る。


さよなら夏、こんばんは秋。




侘びる時間をひとり満喫する最上のペアリングだ。
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『l'anima parla a l'anima〜魂が魂に話しかける』
このアルバムの中ジャケットにはこんな言葉が。


マッシモとトティとぼくのトリニティを楽しむ。



TNの2015年はスモイ100%になり、まるでラピエールを飲んでいるみたいだ。
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ナジャはワインも埋もれる。
20世紀の遺産発掘の季節がやってきた。
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出土品(笑)




※パスカル コムラードhttp://losapson.shop-pro.jp/?pid=100272726 (このショップのまわし者ではありませんが、興味深いメンツの説明があるので)





2017年9月16日
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Shinsuke Yonezawa Shinsuke Yonezawa

尼崎、塚口にある尼崎最古のワインバー・ナジャのオーナー/シェフ/ソムリエ/DJ。