2009年の5月26日に、
渋谷区の幡ヶ谷という場所で「キナッセ」というワインバーを始めた。
それから1年ほどして書いた文章を加筆修正したものを掲載する。
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渋谷区の幡ヶ谷という場所で「キナッセ」というワインバーを始めた。
それから1年ほどして書いた文章を加筆修正したものを掲載する。
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「やっぱり昔からワインがお好きだったんですか?」
最近、お客様からよくこう訊かれる。
僕は決まってこう答える。
「いいえ。実は僕はワインが大嫌いでした。」
次の質問もわかっている。
「え? それじゃあ、どうしてワインのお店なんかやっているの?」
と、こうだ。
とても思い入れのある葡萄の品種がある。
ソーヴィニョン・ブランだ。
九州出身の僕は、と言うか僕の周りには、「オトコは黙って、焼酎ロック」的な考え方がいまだに色濃く残っている。
ワインなんか注文しようものなら、
「なんやコイツしこっちか!(なんだコイツ格好つけやがって!)」となるのがセキノヤマである。
ワインのイメージは、
「高い」「知識がないと馬鹿にされそう」「翌日、頭が痛くなる」など、ネガティヴなものが多かった。
もちろん、偏見だけど仕方ない。
世の中の大半は、ウソや誤解、偏見で成り立っているんだから。
それはまぁいい。
とにかくワインなんて数えるくらいしか飲んだことがなかった。
銘柄もクソもない、白か赤の二択しかメニューにないような大衆居酒屋で、誰かが血迷って注文したものをイッキ飲みするような、品のない飲み方だ。
当然、翌朝はヒドい二日酔いだった。
そんな僕が、ワインを飲むようになったきっかけ、それが1杯のソーヴィニョン・ブランだった。
あれは2007年の、夏の終わりのすごく暑い夜。
僕は、友人のマサさんと渋谷のとある立ち飲み屋にいた。
僕の手元には焼酎のロック、マサさんはグラスの白ワイン。
上京してからできた数少ない友人の彼が、美味しそうに同じものを何度もおかわりしているのを見て、俄然、興味がわいた。
「…マサさん、それ、そんなにウマイんですか?」
周りに九州人はいない。
格好よくトーキョーの立ち飲み屋で、ワインをキメるなら今だ(笑)
飲んでみれば、とグラスを渡され、ひとくちゴクリとやったその瞬間が、僕のターニングポイント。
それがなければ今の僕はないし、キナッセもないだろう。
「ウマイ!なんて爽やかで飲みやすいんだ!」
数分後に、僕も同じものを注文したのは言うまでもない。
その時に飲んだ白ワインがソーヴィニョン・ブランを使ったものだった。
どこのワイナリーかは覚えていないが、フランスのサンセール地方のものだと後日マサさんから聞いて知った。
こんな美味しいお酒を、飲まず嫌いで過ごしていたなんて、人生、何て損しているんだ!
その時に素直に「もっと知りたい」と思った。
恋愛と同じで、そう思ったその日から、ワインのことが気になりはじめた…。
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誰にでもきっかけがある。
ちなみにこの時行ったお店は、
立ち飲みブームの火付け役となった伝説のお店「Buchi」だった。
Buchiとマサさんが、ワインを好きになるきっかけを作ってくれたのだ。
そして「今度は自分が誰かのきっかけになれたらいいな」と思い、2年後にワインバーを始めたのだ。
最近、お客様からよくこう訊かれる。
僕は決まってこう答える。
「いいえ。実は僕はワインが大嫌いでした。」
次の質問もわかっている。
「え? それじゃあ、どうしてワインのお店なんかやっているの?」
と、こうだ。
とても思い入れのある葡萄の品種がある。
ソーヴィニョン・ブランだ。
九州出身の僕は、と言うか僕の周りには、「オトコは黙って、焼酎ロック」的な考え方がいまだに色濃く残っている。
ワインなんか注文しようものなら、
「なんやコイツしこっちか!(なんだコイツ格好つけやがって!)」となるのがセキノヤマである。
ワインのイメージは、
「高い」「知識がないと馬鹿にされそう」「翌日、頭が痛くなる」など、ネガティヴなものが多かった。
もちろん、偏見だけど仕方ない。
世の中の大半は、ウソや誤解、偏見で成り立っているんだから。
それはまぁいい。
とにかくワインなんて数えるくらいしか飲んだことがなかった。
銘柄もクソもない、白か赤の二択しかメニューにないような大衆居酒屋で、誰かが血迷って注文したものをイッキ飲みするような、品のない飲み方だ。
当然、翌朝はヒドい二日酔いだった。
そんな僕が、ワインを飲むようになったきっかけ、それが1杯のソーヴィニョン・ブランだった。
あれは2007年の、夏の終わりのすごく暑い夜。
僕は、友人のマサさんと渋谷のとある立ち飲み屋にいた。
僕の手元には焼酎のロック、マサさんはグラスの白ワイン。
上京してからできた数少ない友人の彼が、美味しそうに同じものを何度もおかわりしているのを見て、俄然、興味がわいた。
「…マサさん、それ、そんなにウマイんですか?」
周りに九州人はいない。
格好よくトーキョーの立ち飲み屋で、ワインをキメるなら今だ(笑)
飲んでみれば、とグラスを渡され、ひとくちゴクリとやったその瞬間が、僕のターニングポイント。
それがなければ今の僕はないし、キナッセもないだろう。
「ウマイ!なんて爽やかで飲みやすいんだ!」
数分後に、僕も同じものを注文したのは言うまでもない。
その時に飲んだ白ワインがソーヴィニョン・ブランを使ったものだった。
どこのワイナリーかは覚えていないが、フランスのサンセール地方のものだと後日マサさんから聞いて知った。
こんな美味しいお酒を、飲まず嫌いで過ごしていたなんて、人生、何て損しているんだ!
その時に素直に「もっと知りたい」と思った。
恋愛と同じで、そう思ったその日から、ワインのことが気になりはじめた…。
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誰にでもきっかけがある。
ちなみにこの時行ったお店は、
立ち飲みブームの火付け役となった伝説のお店「Buchi」だった。
Buchiとマサさんが、ワインを好きになるきっかけを作ってくれたのだ。
そして「今度は自分が誰かのきっかけになれたらいいな」と思い、2年後にワインバーを始めたのだ。
キナッセというお店は、
ワインの素人だった僕が、ワインを知ろうとあがいた軌跡そのもの。
そして何の因果か、この10年後となる今年(2017年)、ソーヴィニョン・ブランという会社を立ち上げたマサさんと一緒に、僕はwinyを始めることになったのだ。
ワインの素人だった僕が、ワインを知ろうとあがいた軌跡そのもの。
そして何の因果か、この10年後となる今年(2017年)、ソーヴィニョン・ブランという会社を立ち上げたマサさんと一緒に、僕はwinyを始めることになったのだ。
2017年2月22日
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