Qurutoのネゴスワインの中核をなす、
熊本県玉名市産の平均樹齢50年超えの古木マスカットベリーAの仕込みがスタートした。
そもそも九州のマスカットベリーAは通常だと8/末頃に収穫するのだが、 農家さんに完熟を待ってもらい、ギリギリまで収穫を引っ張ってもらっていた。
のだが、9月13日に、
台風18号の接近に伴い、急遽収穫する事になったと連絡が入り、 ワインショップを閉め、熊本ワインさんで受け入れ準備をして、葡萄を待っていた。
15:00頃に約2トンの葡萄が到着。 どうだい、と言わんばかりの農家さんの明るい表情。
確かにものすごく美しく完熟しており、まずは安堵した。
ところが、いざ自分で葡萄を除梗・破砕機に入れながらよく房を観察してみると、 5房に対して、ほんの1~3粒くらいだけれど、傷んでいる葡萄が目に入る。
嗚呼、これはこのまま発酵槽に入れていいのかなぁ。。。
迷いが生まれた。
僕はこの3年ほど続けて、函館の農楽蔵さんに10月にお邪魔して、
収穫後の葡萄の手除梗のお手伝いをさせていただいている。
文字どおり、手で1粒ずつ枝(梗)から取り外し、
少しでも傷んでいる葡萄は選り分け、
宝石のようにピカピカの葡萄だけをタンクに入れる作業だ。
20人くらいで、一日中ぶっ通しで行う。
人為的な介入を極力少なくして、亜硫酸をほぼ使用せずに、
それでもオフフレーバーのないキレイなワインを造るためには、
やはり選果はとても重要で、少しでも悪さしそうな菌がいそうな粒は、
できるだけ発酵槽に入れる前に排除すべきだと言う事の大切さは重々承知している。
ところが今回のベリーAの場合は、
事前に収穫日が決まっていなかったために、お手伝いで手除梗をしてくれる人もいない。
約2トンの葡萄を目の前にして、僕と、熊本ワインさんの製造部の方々数人がいるだけ。
これではとても粒単位での選果は無理だ。。。
造り手によっては、選果しないですべての葡萄を発酵槽に入れた方が、
より多様な菌が動き、複雑な味わいが出ていいと言うが、どうだろうか。。。

あの、傷んでいた粒達は、果たして悪さしないだろうか。。。
おかげさまで、去年よりも生産本数は増える。
農家さんから葡萄も託されている。
変なワインは造れない。。。
正直、ビビッた。
除梗・破砕が終わり、全ての葡萄が発酵槽に入ったあと、
「(亜硫酸)どうしますか?」と聞かれた。
逡巡している暇はない。
「入れましょう。。。」と僕は答えた。
「じゃあ自分で入れてみて下さい」と言われ、
手渡された液体を、発酵槽の上からパシャパシャと軽く撒いた。
(約30ppm程度)
なんとも言えない気持ちだった。
僕たちは簡単にサンスフルがいいだのなんだの言う。
それなのに、わかってはいても、
いざ自分が造る立場になると、
こんなにも簡単に亜硫酸を入れる判断をしてしまう自分がいる。。
その後、発酵槽のマクロヴィンを密閉し、温度管理された倉庫に移動し、
その日の作業を終えた。
台風が無事に去った9/18、開封して野生酵母での発酵を確認。香りも健全。
よく手で撹拌して酸素にしっかり触れさせ、還元的になるのを防ぐ。
現在も今のところ順調に発酵が進んでいる。
このあとは瓶詰めまで亜硫酸は使わない予定なので、
あの日入れた程度の亜硫酸は、最終的には検出されないと思うが、
忘れもしない体験だった。
「自分で入れてみて下さい」と言ってくれた若き醸造家にも御礼を言いたい。
亜硫酸はゼロがいいだなんて、そう簡単には言えないのだ。
託された葡萄を醸造する重みを知った1日になった。
今後、サンスフルのワインを飲む際の有り難みは、計り知れない。。
そもそも九州のマスカットベリーAは通常だと8/末頃に収穫するのだが、 農家さんに完熟を待ってもらい、ギリギリまで収穫を引っ張ってもらっていた。
のだが、9月13日に、
台風18号の接近に伴い、急遽収穫する事になったと連絡が入り、 ワインショップを閉め、熊本ワインさんで受け入れ準備をして、葡萄を待っていた。
15:00頃に約2トンの葡萄が到着。 どうだい、と言わんばかりの農家さんの明るい表情。
確かにものすごく美しく完熟しており、まずは安堵した。
ところが、いざ自分で葡萄を除梗・破砕機に入れながらよく房を観察してみると、 5房に対して、ほんの1~3粒くらいだけれど、傷んでいる葡萄が目に入る。
嗚呼、これはこのまま発酵槽に入れていいのかなぁ。。。
迷いが生まれた。
僕はこの3年ほど続けて、函館の農楽蔵さんに10月にお邪魔して、
収穫後の葡萄の手除梗のお手伝いをさせていただいている。
文字どおり、手で1粒ずつ枝(梗)から取り外し、
少しでも傷んでいる葡萄は選り分け、
宝石のようにピカピカの葡萄だけをタンクに入れる作業だ。
20人くらいで、一日中ぶっ通しで行う。
人為的な介入を極力少なくして、亜硫酸をほぼ使用せずに、
それでもオフフレーバーのないキレイなワインを造るためには、
やはり選果はとても重要で、少しでも悪さしそうな菌がいそうな粒は、
できるだけ発酵槽に入れる前に排除すべきだと言う事の大切さは重々承知している。
ところが今回のベリーAの場合は、
事前に収穫日が決まっていなかったために、お手伝いで手除梗をしてくれる人もいない。
約2トンの葡萄を目の前にして、僕と、熊本ワインさんの製造部の方々数人がいるだけ。
これではとても粒単位での選果は無理だ。。。
造り手によっては、選果しないですべての葡萄を発酵槽に入れた方が、
より多様な菌が動き、複雑な味わいが出ていいと言うが、どうだろうか。。。

あの、傷んでいた粒達は、果たして悪さしないだろうか。。。
おかげさまで、去年よりも生産本数は増える。
農家さんから葡萄も託されている。
変なワインは造れない。。。
正直、ビビッた。
除梗・破砕が終わり、全ての葡萄が発酵槽に入ったあと、
「(亜硫酸)どうしますか?」と聞かれた。
逡巡している暇はない。
「入れましょう。。。」と僕は答えた。
「じゃあ自分で入れてみて下さい」と言われ、
手渡された液体を、発酵槽の上からパシャパシャと軽く撒いた。
(約30ppm程度)
なんとも言えない気持ちだった。
僕たちは簡単にサンスフルがいいだのなんだの言う。
それなのに、わかってはいても、
いざ自分が造る立場になると、
こんなにも簡単に亜硫酸を入れる判断をしてしまう自分がいる。。
その後、発酵槽のマクロヴィンを密閉し、温度管理された倉庫に移動し、
その日の作業を終えた。
台風が無事に去った9/18、開封して野生酵母での発酵を確認。香りも健全。
よく手で撹拌して酸素にしっかり触れさせ、還元的になるのを防ぐ。
現在も今のところ順調に発酵が進んでいる。
このあとは瓶詰めまで亜硫酸は使わない予定なので、
あの日入れた程度の亜硫酸は、最終的には検出されないと思うが、
忘れもしない体験だった。
「自分で入れてみて下さい」と言ってくれた若き醸造家にも御礼を言いたい。
亜硫酸はゼロがいいだなんて、そう簡単には言えないのだ。
託された葡萄を醸造する重みを知った1日になった。
今後、サンスフルのワインを飲む際の有り難みは、計り知れない。。
2017年9月27日
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